「除染」とは?
各自治体・自衛隊・消防機関などが使う除染という言葉とは、施設や機器・着衣などが放射性物質や有害化学物質、感染症のウイルスなどによって汚染された際に、薬品などを使ってそれを取り除くことをいいます。
殺菌・除菌・洗浄など汚染を除去する行為には様々な呼び方がありますが、薬事法などの関係から除染(じょせん)という呼び方が一般的になっています。
除染の方法は
大きく分けてその方法は
物理的に除去(ふき取る、水などで洗い流す)と化学的に除去(分解する)に分けられます。
オゾン水を用いた除染
物理的除去で水で洗い流す場合は、その廃液は産業廃棄物となるので後処理が大変ですが、感染症の現場の処理作業者の除染にオゾン水を利用することにより化学的除去(ウイルスの除菌)の効果も加わるため、廃液の処理が不要になる。
オゾンガスを用いた除染
水で洗い流すことの出来ない、硫化水素自殺時の部屋の中やパソコンや携帯電話などの精密機器や、感染症患者を搬送した後の救急車の中なでの除染は時間のかかるふき取り、もしくは化学的ガス(二酸化塩素やホルムアルデヒドなど)による密閉空間での薫蒸除染が行われる。
しかし欠点として、機器の故障や、発がん性物質の副生物の生成などがある。これに変わる方法として注目されているのがオゾンガスによる除染である。
防衛省の研究によればオゾンガスの除染のテストの結果、精密機器への影響と、発がん性物質等の副産物の生成も無かった。
また、オゾンは酸素原子で出来ているために、数分で酸素に戻り一切残留しないから後処理が不要である。これは、前述の感染症患者を搬送した後の救急隊員の防護衣の除染にもオゾンガスでの除染(CT値の計算による)が可能である。
実際、国内では既に各地の消防、救急の現場で行われている除染方法である。
人のオゾンガスによる除染での注意点は、オゾンガスはその濃度が高くなると呼吸器系に悪影響が出るためにオゾンガスを吸い込まない為の、ガスマスクの装着は必要になる。
オゾンガスの皮膚および目の粘膜への悪影響は認められないデータ(要問い合わせ)が第三者機関の試験により出ている。日本国内では以前から自衛隊によってオゾン除染の研究が行われており、そのデータなどは一部公開されている。
CT値とは?
CT値とは、殺菌・不活性効果を示す指標として国際的に認められているものでガス濃度と時間との積(濃度ppmx時間min)を表しています。殺菌・不活性効果は菌・ウィルスの濃度と曝露されている時間により決まるので、CT値が高いほどその効果は増加し、低ければその効果は低下します。これにより効果の可視化が可能になり除菌や除染の完了目標を感などの判断でなく目に見える形での管理が可能になります。CT値の必要性については、オゾンは無色かつ不安定な分子のため、安全に活用するには、正確なオゾン濃度と時間で管理することにより、効果の実証と管理か客観的に行うことかできます。
除染後の衣服などは?
通常、感染症患者を搬送した救急隊員の防護衣や、感染症の現場での作業員の防護服などは、水で除染、着替えるなどの後に、廃棄するか、オートクレーブなどの滅菌装置で処理して再利用している。
これらをオゾンガスで除染すれば、後処理が一切無くなるので、次の現場へ早く出動できるので効率も上がってくる。
※汚染患者の搬送時の、体液や吐しゃ物などによる機材汚染については必要に応じアルコールなどで拭き取り除染も行う。
病院のオペ室・処置室での除染
日々搬入されてくる救急患者は、外科的な外傷性の患者であれば処置の判断もつきやすいのですが、外傷的見地で判断できない内科的な搬送患者様の場合、どんなウイルスや細菌に感染しているかなどの情報が無い場合も有り、感染症の疑いのある患者を処置する医師や看護士などは、目に見えない危険に脅かされています。医師や看護士自身が感染することの防止策と、感染症患者を処置した際に外部へ持ち出さない対策が必要となってきます。
作業者はオペ室や処置室への入室時、手の消毒および着衣のエアーシャワー等の洗浄を行い、作業終了後は着衣の水除染および着替え、オートクレーブ等での除菌と大変な作業が必要になる。ケースによっては着衣のディスポ(廃棄)がなされコスト面での負担にもつながっています。
病院のオペ室・処置室のオゾン除染システム
病院の手術室・処置室等におけるオゾンによる除染は、オペ室の前室など入り口に2〜5人程度が入れる簡単な密閉空間(除染室)が必要となる。
- まず入室時にオゾンガス防御マスクを装着する。
- 除染室へ入室をして、オゾン発生装置(CT積算濃度計内臓)YS2000ZCTのCT計の測定値を60にセットする。
- スタートスイッチを押す。
- オゾンが機器より噴霧されます。進行状況はパネルにて確認できる。除染(除菌)が)完了すると完了ランプが点灯するので退室する。※機器は運転終了後にオゾン濃度0.1ppmになるまで回収運転を自動的に行います。
- 退室、除染完了
- 退室後の、水による洗浄および着替えは不要になります。※体液や吐しゃ物などによる防護衣の汚染については必要に応じアルコールなどで拭き取り除染も行う。
オゾン除染のメリット
感染症の疑いのある患者さんの処置を日々、行っている医師および看護士など現場の方々にとって、処置室への入出時は非常に気を使います。着衣などの除菌に余念がありません。毎回、処置室を出てからはシャワーを浴び、着替えをする繰り返しは作業の不効率にもつながっています。作業衣は場合によってはディスポ(廃棄)処分してコスト面でも大きな負担となっています。しかしオゾンガス除染であればシャワー、着替え、作業衣の廃棄が不要になるので、時間短縮による作業効率の向上とコスト面での負担軽減につながります。
オゾン除染に使用する主な装置
オゾン発生装置(CT積算濃度計内臓)/YS2000ZCT ・CT積算濃度計を内蔵させた持ち運びに便利なオゾン発生装置一体型の装置です。密閉空間さえあれば気軽に薫蒸殺菌が行えます。 |
除染に関してさまざまな資料を取り揃えております。
装置に関する詳しいことはお問い合わせページよりお問い合わせください。
←オゾンの設計導入事例に戻る
▲ページTOP