一つ前のページに戻る


AOP(advanced oxidation process)とは

促進酸化処理とも呼ばれ、オゾン+UV、過酸化水素+UV、オゾン+過酸化水素など複数の酸化剤と水との反応によりOH*(ヒドロキシルラジカル)を多く発生させ酸化分解反応の促進を目的とした処理方法である。この酸化方法の最終反応後は低分子物質や無機ガスになるため、他の処理方法のように処理後の残留物が残らないのが特徴です。また染物工場の排水などの脱色に優れた処理効果が期待できる。

AOP促進酸化処理の脱色とCODの低下の様子の実験経過 光酸化による廃液の処理

オゾン+UVによる反応メカニズムは

紫外線ランプは発光波長が184.9nmと253.7nmである低圧水銀ランプを利用することが多い。空気中の酸素は184.9nmの紫外線により乖離反応が起こりオゾンが生成される。そのオゾンはさらに253.7nmの波長により分解される際に水分と反応してOH*(ヒドロキシルラジカル)が生成される。ただし難分解性物質の分解には多量の酸化剤が必要になる為、ランプでの生成量では不足することがあり、別途無声放電式オゾナイザ+PSAを用い高濃度のオゾンを反応槽に供給して処理をおこなうことになる。

促進酸化処理においてランプから発生する低濃度のオゾンを供給するイメージ図促進酸化処理においてオゾナイザによる高濃度のオゾンを供給するイメージ図
AOP促進酸化処理とオゾナイザとPSAの概観

OH*(ヒドロキシルラジカル)の酸化力は

表1に酸素種の反応速度定数を示した。数字の「べき」の指数が大きいほど反応性が高く、小さいほど安定であること(不活性)を示す。酸素の「べき指数」はマイナス30、オゾンのそれは2〜3であり、酸素の32桁以上も反応性が高いことを示している。さらにOHのべき指数をみてみると8〜9を示しており、酸素種として最も高い反応性を示している。つまり非常に強い酸化能力を持っている。オゾンは単独でもかなり高い反応性を示すが、H20と共存する環境ではお互いに反応して大量のOH*(ヒドラキシルラジカルとよばれる活性酸素)を生成していると考えられる。

表1) 酸素種の反応速度定数 Lmol-1s-1(300K)   杉光英俊「オゾン基礎と応用」より
酸素種 OH* HO
速度定数 108〜109 105〜106 102〜103 102〜103 10-30

このOH*(ヒドロキシルラジカル)が酸化反応に大きく寄与している。

排水処理の方法はその排水の汚染濃度によりさまざまで、ここですべては紹介できませんが、一例として紹介すると、汚染濃度の高い排水の一次、二次処理は硫酸バンド、PACやアニオン、カチオン高分子などの凝集剤を組み合わせ凝集沈殿させたり加圧浮上させたりして汚泥と分離します。その後の三次処理排水は活性炭吸着処理やRO膜などで処理され排水基準をクリアするようになります。これらの方法はAtoBといい不純物(有機物)などをA地点からB地点まで移動したに過ぎません。これに対してAOP処理の場合は、AtoCという考え方で有機物をOH*(ヒドラキシルラジカル)の強力な酸化力によりその分子間の結合を切り離していく反応である為に、難分解性物質も低分子化され最終的にはC、O、Hなどに分解して残留物を残さないという利点があります。実際の処理ではすべてバラバラにせずに低分子の有機物まで分解してCOD値の規制値をクリアしつつ、河川放水し河川に存在している微生物、プランクトンへの適度な富養分(エサ)として貢献できるのではないかとの期待も持っている。


納入装置の一例

AOP処理装置プラント設計等ご相談ください。
廃液のビーカーテストご希望の方もご相談ください。

一つ前のページに戻る


装置に関する詳しいことはお問い合わせページよりお問い合わせください。


←総合製品紹介のページへ戻る


▲ページTOP
オゾン・オゾン水・紫外線の脱臭と殺菌MENU